第二章 クルセア学園

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東の森の件の翌朝。 「セルレイ様、朝ですよ。起きて下さい。起きないと遅刻しますよ。」 ミナリアがセルレイを優しく起こそうとする…が… 「眠い…まだ全然寝てない…」 セルレイは駄々をこねている。 「確かに昨日は忙しかったから寝るのが遅かったですが、授業には出ないと駄目ですよ。」 セルレイは重い瞼を擦りながら起き上がった。 「あぁ…あのクソ学長のせいで3時間しか寝てないじゃねぇか…」 そぅ…昨日森から学園に戻ったセルレイとミナリアは学長室へと向かった。 コンコン… 「どうぞ。」 「失礼します。」 セルレイとミナリアが学長室へと入ると、ガルクス学長はニッコリとミナリアに微笑み掛けた。 「君がエルフのミナリア君ですね?」 ミナリアはびっくりして、頷いた。 セルレイはため息をついて、学長に目を向けた。 「いやいや、君達の様子は魔境を通して見させて頂きましたよ。」 「……覗き魔め…」 セルレイはボソリと呟く。 「心外ですねぇ… 私は君の事が心配で見守っていたのですよ。」 学長は淋しげな顔をしてセルレイに訴えかけた…が… 「貴様の趣味に付き合わされるこちらの身も考えろ。」 ミナリアは少し、戸惑っていた。 そんなミナリアを他所に、二人は言い合いを続けていた。が、ガルクス学長が話題を変えた。 「セルレイ君、君は本当に、ミナリア君と契約わ交わしたのだね?」 「あぁ…もちろんだ。俺は力が欲しい。」 セルレイの瞳がまた暗い闇に沈んだ。 「例え、君が選んだ道が後戻り出来ない道だとしてもかい?」 「愚問だな。 とうの昔に戻る道などふさがっている。 ただ、目的の為に進むだけだ。」 ガルクス学長は深くため息をついた…
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