第十七章 過去の鎖

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「お父様!!」 「レアナ!!無事だったか!!」 レアナがエルゥから飛び降り、グレイに駆け寄った。 グレイは帰ってきたマルティス達を見回し、セルレイが居ない事に気付いた。 「セルレイ君は?」 「…後から帰って来ます。」 グレイはレアナの表情を見て、それ以上は追及しなかった。 「皆ありがとう。 君等のお陰で被害が最小限で済んだ。 今日はゆっくり休んでくれ。」 グレイはマルティス達と共に屋敷に入って行った。 レアナ達は食事を終え、それぞれの部屋で休んでいた。 「…レアナ…」 「セルレイ!?」 レアナは部屋の外から聞こえたセルレイの声に気付き、急いでドアを開けた。 「入ってください。」 セルレイは無言でレアナの部屋に入った。 レアナはドアを閉め、椅子に腰掛ける。 「ソフィーちゃんは?」 「…ミナリアの所だ…」 「…食事は?」 セルレイは首を横に振る。 「…食事…持って来ますね。」 レアナは部屋を出て行った。 (…飯…食う気しない…) セルレイはベッドに腰下ろし、溜め息をついた。
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