第十七章 過去の鎖

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「食事持って来ましたよ。」 セルレイはベッドに座りながらウトウトとしていたが、レアナに声を掛けられて目を覚ました。 「あ…悪い…」 セルレイは立ち上がり、ヨロヨロと椅子に座った。 「…あまり食欲がない…」 「食べなきゃダメです!!」 セルレイはゆっくりと食事を口に運ぶ。 「…旨い…」 「良かったです。」 レアナはにこにこ笑いながらセルレイを眺めている。 「…研究所では…まともな飯なんか…出て来なかった…」 セルレイの一言にレアナの顔が一瞬で曇る。 「…テトラも…キッドも…まともな飯なんか食った事無かったんだろうな…」 セルレイは食事を終え、一息ついた。 「…レアナ…頼みがあるんだ…」 レアナは無言で頷いた。 「…もう一度…異空間に行って、テトラを連れて来たい。 一緒に来て欲しいんだ。」 「わかりました。」 セルレイはレアナの返事を聞き、立ち上がって床に先程と同じ魔方陣を描き始めた。 「…出来た。」 レアナは頷いて、魔方陣の上に立つ。 セルレイも魔方陣に立ち、魔力を込め、セルレイ達が一瞬でその場から消えた。
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