第一話 日常

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激しい雨が降る。 僕は窓の外の霞んで見えない月をあるかのように見つめ、窓の近くのベッドに横たわった。 針が止まった。 午後10時。 雨音にうなされている。 「おい、おめぇも来るか?俺らの世界に」 …変な夢だったみたいだ。気にしなかった。いや、また夜が来ると忘れていると思った。 僕は、カーテンをパッと開けた。空の日差しに驚いた。 昨日のバカみたいな雨が止んでいて、空の優柔不断さがようやく分かったような気がした。朝だ。 今日は、親も誰もいない。仕事で父は海外へ一週間前に行ったし、母は朝早くから出張に行っている。なんとも思わないな。 朝ご飯は、パンと味噌汁で済ませた。あと、今日は【孤独】も付いた。 「行って来ます。」何て言いやしない。「出て行きます。」って言いたいくらいだ。と思いながら僕はいつもと同じ学校へ向かった。 僕は公立の高校へ電車で行く高校生。 いつも朝はこんな感じだ。 いつもなら、ね…。
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