箱の時間

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――内心、呆れて口が塞がっていなかった。 で、と机をつけてきた両サイドから 「かなーり、強引にいったけど、あの子が気になっているのは……パンだけじゃ、ないんだからね☆」 「――はい?」 「そそっ☆ お邪魔は退却~」 後はごゆりと~、なんて言われながら去られてしまった…… 「えーと… これがサラダでーす!」 じゃーんっ! と効果音を入れつつ出されたお弁当は 「おいしそうな……質と……量、だね」 丁寧に詰まれているのは認めよう、うん。 「サンドしても余る勢いで…」 「お肉にもあいますよ♪」 「――さいで」 うん、食事とは静かに食べてこそ…という事で。 「「いただきます」」 ぱくっと何気に食べると…… 「おいしい……」 ドレッシングも手作りなのだろう。 酸味も程よくて… 「おいしいのって…久しぶりだな…」 前はいつだったかと忘れる位…だった。 「あ、ありがとう…!」 ニコニコと返してくれた彼女は……そう、 「母の……と言ったところか……」 「?」 「いや、うん。おいしいよ。」 「パンも美味しいからだよ!」 母親を思い出した…… こうやって、テーブル向こうで優しく微笑んで、日の光を思う声で 『おいしい?』 『うん、おいしいよ!』 ――そんな時間を、思い出していた… 「今はどーっちかと言えば」 「ふうふ、だよねー☆」 「あーん、はしないよー」 「……それが基準か。」 「でも毎日食べてくれるからすごく嬉しいのは、おかーさん嬉しいっ」 えへー、と笑いながら 「でもこんないい食べっぷりだと旦那さんにしたいな~」 ――参りました。 口には出さない代わりに。 ぱくっ、と。 「――ふぇ?」 「をを! 大胆!」 「やてもーたかっ」 お箸に挟まれていた唐揚げをぱくりと取ってみた。 ※言い訳。 電波になってきましたが、某キャラみたく美味しそうに食べるのを見ているとご飯食べたくなりますな。 今回はやや、某作家さんのキャラ達に近くなりましたとセルフツッコミ。
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