足並みをそろえて。

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合わせ鏡を思わせる。 そんな風に言われるのも どっちが……か分からない位。 こう、言われるのも 「ええ、いつも言われます。私たちが並んでいると尚更。」 小さく笑ってお互いに「ね」と見合わせる。 産まれるときから、何処へ行くにも私たちは並んで歩いている。これは変わることの無い「日常」 ――さぁ、鳥かごの小鳥たち。 背にある翼は自由の証。 ためらうことなかれ。 旅立ちは今であり、未来と―― 風が鳴った。 そうだ、あの青空へ届く未来へと私たちは飛ぶ事が…… ――できると、思って…… 『貴女は、駄目だよ……』 そ、と優しく。でも強い意志が伝わる声。 『貴女は片翼だから、――飛び立つには、足りない……』 どうして…… ワカラナイ。 私たちは合わせ鏡のように……何も違う所なんて、無い…… 『翼。私は両に……ついているでしょう?』 それは、流れるように、すらりとした―― 綺麗だと思える翼だった。 私には、無いもの…… 『――まだ、早いから…… あの空へ ……ゆくには。』 ――一緒だと、思っていた…… どうして貴女は羽ばたけるのだろう? 『私はね…… あの空へゆき、星になるんだって。  だからね、見つけてね。』 ――そんな……別れを、言わないで欲しかった……! 『――貴女が。貴女にも翼ができて……あの空へ来たら、会えるわ……! だからそれまでは……』 約束。 約束をしよう。 じゃあ、私もここから貴女に光を…照らし続ける! だから、 「「忘れないで、――わたしの一番星……」」 星は、星に魅せられ。 永遠の輝きを信じていた。 飛び立つ時。 共に羽ばたく事はなくとも、その輝きは いつまでも。 *言い訳。 エトワール。 一番星でありたい。 双子いいよ、双子といった勢い。 黒くても好きだ!
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