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「おはよう孝也、葵ちゃん。」
このゴミ棄て場は町内の端で
遠く離れて居るが
町内なので仕方が無いのだ
此処は指定された所に
棄て無いと罰金を取られるから
毎回走って来る事になる
『おはようございます』
孝也と葵の二人組が
揃って挨拶する・・・
「孝也、お前・・・
相変わらず鳴海の奴に
尻に敷かれてるのか?
あいつも、ゴミ出し位は手伝えば
良いもんだろうにな」
孝也が、溜息をつきながら一言
「尻に敷かれて無いです・・・
寧ろ、惚れた弱みと言いますかね」
爽やかに惚気(のろけ)か。
しかも朝っぱらから
自分で話題を振ったから
俺の自爆でも有るが
「・・・さよけ」
当てられる人間には
耐えられ無い何かが有るというか
精神ダメージを受けた・・・
慰謝料くれ。
「幸せそうですね~」
天然娘がα波をばらまく。
ある意味兵器に近い様な気がするな
只、平和利用が可能な兵器だが
「そういえば、ディータは?」
駆けて来る気配は1か
噂をすれば、なんとやら
「葵、ゴミ袋忘れてる」
「ゴメン、忘れてた。
てへへっ・・・」
惚気に寄る精神ダメージ再び。
すぐ近くなので
ダメージドンで更に二倍。
「うはぁ・・・」
「幸せそうだね
まあ新婚夫婦だし」
彼らは葵が卒業した後に
電撃結婚したのだ
まあ、外国人同士の結婚は
この国の許容範囲だからな。
「楓さんがこんなん親類になるの嫌だ
とか何とか嘆いてましたね~」
孝也が遠い目で空を見て居る
楓の様が目に浮かぶ様だ
「そういえば。
あいつらは相変わらずなのか」
「はい、相変わらずですよ
殆ど毎日、家に飯たかりに来ます
お蔭様でエンゲル係数が
全然下がりませんよ」
相変わらず苦労が絶えない様だ・・・
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