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一方その頃・・・
「ヘックチン、風邪かな」
「以外に可愛いくしゃみだな。」
楓は鳴海を睨みながら言う
「悪かったわね・・・」
基本的に顔の造りは
葵と似通っては居るが
その三白眼は楓特有の物だ
「異端審問官の癖にぃ~
可愛いくしゃみでやんのお~
ツンデレ属性だけじゃ気がすまんか」
スパーンッ!!
とか言う様な快音が響く。
「小学生かぁッ!!」
何処からかスリッパが出現して居る
それを装備した楓が
鳴海の頭部を叩いた様だ
「此処最近、あんたツッコミが
家の嫁と似通って来たな。」
「まともな武器じゃないだけマシでしょ
ソレトモ、頭カチワリましょうか」
何処からともなく
楓の手の内に戦斧が現れる
「リアルでヒギィはノーセンキュー。
すいません、勘弁して下さい。」
楓が手にした戦斧を消した
「ならば、その旨良しとする」
楓が座り直し
二人で茶を啜(すす)る
「「はぁ・・・」」
2つの溜息がハモった
おばちゃん臭い等と言おう物なら
生きて帰れるかは謎だろう
「おぃーす」
何処からともなく
メッセンジャーと呼ばれて居る
遣い魔が現れる
「朝からご苦労様なこったな」
鳴海が手を振る
楓は未だに茶を啜って居た。
なんで異端審問官が此処に居るんです
鳴海さん達の部屋ですよねぇ・・・
部屋を間違えたかな~
なんて事をメッセンジャーが
遠くを見て言って居る
監視対象が監視員と
マッタリ茶を啜ってるなんて現状
本来有りなら得無い事で
あるからしてなんて思って居る内に
「いや、此処であってるよ」
ズズーッとか言う音を立てながら
茶を啜りつつ
孝也が居たら確実に行儀悪いと
殴られているだろう恰好で
そう、鶴の一声を放った
普通の事例なら有り得ず
審問官が対象潰して
終わりなのだ、普通は。
メッセンジャーは本当に始末が悪い
とでも言いたげな顔で応対する
だが、それだけ特殊な事例なのだ。
「潰して終わりなら
ホントに楽ナンダケドネ~」
実際、2年前に鳴海は
楓に一度、殺害されて居るのだ
孝也が黄泉還らせて
事、無きを得たのだが・・・
「ガッツリやられた傷痕がね
これじゃお嫁に行けませんわ」
いくら蘇生させたとしても
傷痕は残る訳で
「あんた嫁居るから良いじゃないよ
私も恋人作るかな。」
「眼鏡かけた
ドMのカメラマン辺りが
オススメかなぁ~とりあえず。」
呆れ気味に楓が一言
なんでそんなに限定的なのよ
なんて言って返し
また茶を湯呑みに入れる
メッセンジャーが溜息を尽きながら
まあ、良いですよ。
別に聞かれても良い案件ですしね
なんて呟いた
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