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街を歩いていると雪菜に似た人を見る度に心が躍る。
もしかして…と、考えてしまう。
だけど彼女はやはりあの日から俺の前から消えた。
前に話してくれた俺が働いてたいた高校。
足が自然にそちらに向いて歩いていた。
見上げると古くもなく新しくもない建物。
制服を着た生徒たちがずらずらと出て来ていた。
下校時間なのだろう。
「あれ、高島先生?」
呼ばれた方に振り向くと見知らぬ顔。
いや、記憶があれば知っているのだろう…。
「久しぶりじゃないですかぁ」
制服を着た女の子は俺に笑顔を向けてくる。
俺は曖昧に返事をしてその子から離れた。
覚えていないから…。
何を話してもわからない…。
大事な人でさえ忘れてしまったのに…
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