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ねぇ、先生…
風の噂であなたの事を聞きました。
今は就職して…学校の先生になったんだよね?
よかったって、心から思ってるよ。
でも考えてしまうの…。
あたしの記憶さえも失えていたら、あたしは苦しい思いはなかったはずだよね。
きっかけを作っても何も変わらなかった。
友人と一緒に居てもまだあなたの事を考えている…。
ほら…喫茶店の窓の外から見えるあなたに似ている後ろ姿に目が行く。
追い掛けてしまう…。
――――――…っ。
勢いよく立った為椅子が倒れてしまい周りはこちらを見る。
「ちょっと、雪菜?どうしたの?」
「先生…?」
友人が心配そうに呼び掛けてもあたしはそれを無視してある場所にくぎづけになっていた。
「雪菜!どこ行くのっ?」
叫ぶ友人の声もあたしには届かずに無我夢中で走っていた…。
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