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「ゴホッ…」
報告書を出すときについ出てしまった咳。
薬を飲んでくればよかったなと後悔した。
「大丈夫か」
「大丈夫でさァ」
歪む、顔。
何と返せばアンタはその表情とは違うものを俺に見せてくれる?
「風邪…なのか」
「風邪ですよ」
「嘘はついていないんだろうな」
「つく訳ないだろィ」
「お前は信用ならねぇ」
「これは本当でさァ」
信じては、もらえていないのかもしれない。だって表情の曇りが…まだ分かる。
「無理はするなよ」
「どうだか。アンタが仕事をたくさん入れるからねィ、昼寝の邪魔をしなければ…」
「………じゃあ、暫く休め」
「え……?」
今、なんて言った?
「治るまでは休んでいろ」
「アンタ何言って…」
「仕事をするなと言ってんだよ」
「……っ…………、アンタ馬鹿ですかィ?俺がいなくちゃ…」
「お前がいなければ相当戦力は弱まるが、今夜相手ならば俺たちだけでもどうにかなるさ。部屋には山崎を待機させるからな…抜け出すことは許さない」
「冗談…」
「これは命令だ」
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