日常から非日常へ

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「母さんっ! なんで起こしてくれなかったんだよ!」 居間に着くなり愚痴を言う。母さんと呼ばれた人物は、京には目もくれずにテレビを観ていた。 「何度も起こしたわよ。それでも起きなかったあんたが悪い」 やはりこちらを振り向くことなく京の母は言う。もう京もそれ以上母の言うことを聞く気はないらしく、既に洗面台に向かって歯を磨いていた。 「ちょっと、あんた朝ごはん食べていかないの?」 返事が無いことが気に食わなかったのか、京の母は少し語気を荒げてそう言う。 「いらない。行ってきます」 京は既に歯磨きを終えており、返事をしながら玄関へと走っていった。
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