日常から非日常へ

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スニーカーを履いて玄関を開けると、目の前に広がるは一面が緑の畑。京の家はいわゆる農村にあったのだ。夏のこの時期は好き放題に草が伸びていている。 京は家の隣にある車庫から取り出したマウテンバイクに乗って出発した。 一段、また一段とギアを重くしていく。どんどんスピードは上がっていき、周りの景色が吹き飛んでいった。先程までの砂利道はすでに舗装された道へと変わっていた。 「ここまで来れば大丈夫かな……」 もう周りに畑などない商店街まで来ていたため、京はスピードを落とした。 片手を放してポケットから携帯を取りだす。開いて時間を確認すると8時35分だった。登校は8時40分までにすればいいし、学校はすぐそこである。遅刻はないことを確信したのか、京は安堵の表情を浮かべた。
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