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―ポツ、ポツ、ポツ…ザァー―
「げっ。雨かよ。タイミング悪すぎ」
そうぼやいて昇降口で空を見上げながらも、家まで走って5分の俺は鞄からタオルを取り出し、それを頭に被って走り出した。
後ちょっと…
そう思って家の近くの公園を通り過ぎようとしたとき、俺は思わず足を止めた。
女…?
公園には、こんな雨の中傘もささずに、ただ呆然と立ちすくしている女がいた。
普段なら知らない奴、特に女には全く興味を示さない俺なのに、なぜかその女からは目が離せない。
家に急ぐことも忘れてしばらくボーッと女の横顔を見ていると、不意に女は鞄からハサミを取り出した。
?!
何するつもりだ?!
驚いた俺は、いつの間にか手で押さえていたタオルを落としたことにも気付かないでいた。
女は自分の顔にかかる髪を握ると、そこにハサミを持っていく。
なっ…
俺は思わず女の元へ走り出していた。
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