13840人が本棚に入れています
本棚に追加
「何だよ、嫌なのか?」
「嫌も何も、あんた頭大丈夫?
名前も知らない会ったばかりの奴と付き合う訳ないでしょ」
私はそう言って男に背を向けて歩き出した。
「…り山大和」
「はい?」
小さく呟いた男の声が雨に掻き消されてきちんと聞き取れなかった私は、思わず振り返った。
「栗山大和(くりやま やまと)だよ!俺の名前」
「…あぁそうですか」
私はそう言って再び歩き始める。
「ちょ、待てよお前!!相手が名乗ったら普通自分も名乗るだろ?!」
男は追いかけて来て、私の前に立ちはだかった。
私はそんな男を思い切り睨み付ける。
「別に名乗ってくれなんて頼んでません。私、今は誰とも付き合う気無いので。…じゃ」
呆然としている男をその場に残し、私は公園を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!