潜入開始

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真っ赤に燃える森を見てオレはジャンパーを裏返した。 ジャンパーはリバーシブルになっていて、裏返すと赤い迷彩になる。 炎の中、レンガの空間、赤い空間で効力を発揮する。 「いくらこの状況でも真正面から行ったら蜂の巣だよな……」 そう呟いてオレは炎の中に突っ込んだ。 「火を消せー!」 「水だー!」 「消火器を持ってこーい!」 なかなか慌ただしい陣営だ。 数は20人……もうちょっと多いか。 まさか飛び込んだ先がマンホールの穴だとは思わなかった。 騒ぎに紛れて地下水路から潜入するのはいとも容易だったし。 とりあえず状況は把握した。さっさとケリを付けるべくオレは鋏――ツインナイフを取り出す。 「おい」 「なんだ!今忙し……」 ザスッと喉に鋏を突き刺す。 「忙しいとこ済まなかったな」 血を払ってオレは更に敵を探す。 ――身近に敵を発見した。 「…………」 オレは無言で敵に近付き、袖を掴み、地面に叩き付けた。 「がぁっ!」 右足で腹部を押さえて逃げられなくしてオレは腕を振り上げた。 頂点に達した腕を敵の喉に。 ブシッと血飛沫が散った。 「これだから…………」 敵の飛沫で汚れた口許を拭い、口の端を吊り上げて笑う。 「やめられねぇんだよ……ったく」
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