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「……きた」
オレは茂みに飛び込んだ。ジャンパーのチャックをすぐに閉めてジッと待つ。
今の迷彩の柄は緑。つまり茂みに擬態している。
ちなみにズボンは黒のジーパン。なかなかバレない。
「…………」
ザッザッと足音が聞こえる。近い。
オレは近くにあった石を掴み、右に高く放り投げた。
ガザッガサササッと派手な音がする。
「誰だ!?」
ライトがオレの伏せている茂みを一瞬照らす。――が、すぐに通り過ぎた。
すぐ足がオレの目の前を通った。左手をジャンパーの右内ポケットに伸ばす。
「………ふぅー」
ひとまずバレなくて良かった。オレは茂みを抜け出し、足音の主にゆっくり近付く。
「何もない……か。鳥かなんか……っ!」
オレはすぐさま襟首を掴み、膝を蹴り、敵の体勢を崩した。
「がぁっ!?」
すぐさま襟首を掴んでいた腕を首に回し、残った手で喉元に刃物を突き付けた。
「動くな。色々聞きたい事がある」
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