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「ここで何をしている?」
「貴様ッ!誰だ!?」
オレは首を強く締め、刃物を更に目の前に突き付けた。
「質問に答えろ」
「ッ!殺さないでくれ!」
「答えれば殺さない」
オレは敵が落ち着くのを待って、拘束を緩める。
「…戦争だ」
「……戦争だぁ?」
「チーム制のバトルロワイアルみたいなやつだっ!だから殺すな!」
悲鳴のような声で兵士は叫ぶ。
「静かにしろ。殺さねぇよ……あれか?向こうの連中を全員殺したらこっちが生きて帰れる……みたいな?」
「似たようなもんだ。ある人物を取り合い、守りきるか殺すか」
「……こっちはどっち側だ?」
「殺す側だ。REDTEAMと区別されてる、殺せば任務終了。向こうの爆弾が爆発する」
「向こうは青か。つまり守りきれば勝ちなんだな。そして赤の全員抹殺」
「そうだ」と苦しく呟く。
「……守られるべき人物って誰だ?」
「ヒビキとか言う奴だった」
「ヒビキ…!?それって響 琉斗か!?」
「知らないっ……俺が知ってるのはこれぐらいだ……助けてくれ」
「そう…か…悪かった。ちょっと寝てもらうがな」
そしてオレは。
ザシュッ
持っていたグリップにカバーが付いたナイフを交差させ、固定したような――それは大鋏を連想させる刃物で。
オレは兵士の喉笛をかき斬った。
「永遠の眠りで悪いな。麻酔銃は持ってねーんだ」
そしてオレは血を払い、その鋭利な二枚刃物を迷彩柄のジャンパーにしまいこんだ。
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