潜入開始

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「虫が少なくて万々歳だ。余計な音に気を取られる事も無いしな」 ガサガサと草むらの中を腰を低くして進む。腰が痛くなるが、銃で撃たれるよりはマシだ。 ガサガサと茂みを掻き分けた時視界に人影が見えた。 「っ!!」 木の幹に張り付く。 見つかってはいないらしい。 「やなとこに来ちまったなぁー……」 チームは不明だが軍隊の駐屯地に出てしまった。 「ったくよぉ……」 そう呟いた時だった。 「誰だ!?」 「っ!!!」 見つかったか!?かなり近くにいたのか?いや……さっきの人影からじゃ今の呟きは聞こえるはずがない。 考えろ……とりあえず状況を把握しろ。オレ。 オレは木の幹からこっそり向こうの様子を見た。 ―――誰もいない。 もしかしてオレ以外にも潜入者がいるのか? ―――と。 「動くな」 チャキと頭の後ろで銃が鳴った。 「あ…………」 見つかった……。 「手を上げろ」 「……どうしてオレの場所が分かった?」 「狙撃者(スナイパー)の存在を知らないのか?」 「ぁー……だから潜入は嫌いなんだよ」 「……?何を言ってる」 「独り言だ。気にすんな」 「……いいから手を上げろ」 「断る」 オレは左手をジャンパーに突っ込んだ。 「ならば死ね。」 引き金に力が入っていく。 「それも断るぜっ!」 パァンッ! 銃声が鳴り響いた。
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