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「ほお。不思議な武器だな」
銃を構えたまま兵士は言った。
「あんたのその銃もな」
オレもツインナイフを防御の形に構え、言った。
二つの銀の銃口。その上に付いている片手拳銃に似合わないレーザーポインター。
「あんたの名前は?」
「一発目の弾を避けた事に敬意を評して教えてやる。ヴァンだ。ヴァン・ペイナ少尉。お前は?」
「オレの一閃を避けた奴には名前を教えるってか。無人だ。初月 無人」
「無人か……ここで何をしている?」
銃を下ろすヴァン。オレもツインナイフを閉じる。
「ちょっと人を探してるんだ」
「……そうか。生きていればいいな」
「あぁ。ところでこの陣営はどっちチームなんだ?」
「蒼だ。BLUE TEAM」
「利害一致か……あんた達が守っている人質に用がある」
「なんだと……?」
銃を突き付けるヴァン。
「あの娘をどうするつもりだっ」
「連れて帰る。この戦争が終わったら。それなら構わないはずだ」
「…………いいだろう。少し休んで行くといい。色々話も聞きたい」
また銃を下ろし、彼は陣営に歩き出した。
「刃物みてぇな雰囲気の男だな……あいつ」
そう呟いてオレも後に続いた。
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