潜入開始

8/13
前へ
/57ページ
次へ
「ほお。不思議な武器だな」 銃を構えたまま兵士は言った。 「あんたのその銃もな」 オレもツインナイフを防御の形に構え、言った。 二つの銀の銃口。その上に付いている片手拳銃に似合わないレーザーポインター。 「あんたの名前は?」 「一発目の弾を避けた事に敬意を評して教えてやる。ヴァンだ。ヴァン・ペイナ少尉。お前は?」 「オレの一閃を避けた奴には名前を教えるってか。無人だ。初月 無人」 「無人か……ここで何をしている?」 銃を下ろすヴァン。オレもツインナイフを閉じる。 「ちょっと人を探してるんだ」 「……そうか。生きていればいいな」 「あぁ。ところでこの陣営はどっちチームなんだ?」 「蒼だ。BLUE TEAM」 「利害一致か……あんた達が守っている人質に用がある」 「なんだと……?」 銃を突き付けるヴァン。 「あの娘をどうするつもりだっ」 「連れて帰る。この戦争が終わったら。それなら構わないはずだ」 「…………いいだろう。少し休んで行くといい。色々話も聞きたい」 また銃を下ろし、彼は陣営に歩き出した。 「刃物みてぇな雰囲気の男だな……あいつ」 そう呟いてオレも後に続いた。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加