一.

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新見さんが立ち去ると、 『何を考えてやがる…芹沢…。』 怒りに震えながら呟く土方さんを見て僕は…。 "たかだか、大阪へついてくだけなのに…" なんて、軽く考えていました。この時の僕はちっともわかっていなかったのです。 土方さんの気持ちも…。 芹沢さんの気持ちも…。 そして、 『斉藤、悪いが総司の事を頼む。俺にはあの方の考えが読めねぇ。しっかり、監視しといてくれや。』 そう言うと僕に向き直り、 『総司、とりあえず秘密がバレないように。迂闊な行動はするな。後は、向こうの考えがわかんねぇ以上、対策もたてれねぇ。』 『大丈夫ですよ。たかだか大阪へ行くだけじゃないですか。』 と僕が微笑むと、肩をがっくり落として 『お前は呑気すぎるんだよ。』 そう言ってうなだれるのでした。
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