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新見さんが立ち去ると、
『何を考えてやがる…芹沢…。』
怒りに震えながら呟く土方さんを見て僕は…。
"たかだか、大阪へついてくだけなのに…"
なんて、軽く考えていました。この時の僕はちっともわかっていなかったのです。
土方さんの気持ちも…。
芹沢さんの気持ちも…。
そして、
『斉藤、悪いが総司の事を頼む。俺にはあの方の考えが読めねぇ。しっかり、監視しといてくれや。』
そう言うと僕に向き直り、
『総司、とりあえず秘密がバレないように。迂闊な行動はするな。後は、向こうの考えがわかんねぇ以上、対策もたてれねぇ。』
『大丈夫ですよ。たかだか大阪へ行くだけじゃないですか。』
と僕が微笑むと、肩をがっくり落として
『お前は呑気すぎるんだよ。』
そう言ってうなだれるのでした。
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