一.

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しばらく、重い沈黙が続きました。 すると、 『女のお前が人を切れるのか?』 "なんで急にそんなこと…。切れるはずです。僕は男にだって負けない。" 『切れますよ。』 睨みながら答えました。 『技術の話しじゃない。人を殺すってことはよ、自分も何かを失う事になる。出来るか、お前に…。』 "何かを失う?何を?わからない…わからないよ。" 『出来ます。』 "そうだよ。二人の為ならなんだって出来る。" 僕はわかっていなかったのです。 人を切る。 その重さを。
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