50人が本棚に入れています
本棚に追加
受験の日から二週間。
特に変わった事はない。
でも…ボーッとしている時間が増えた。
気が付くと、和也くんの事を考えている。
あの日の、午後の試験と面接の事はほとんど覚えていない。
こんなにも誰かの事を考えるなんて、私には初めてなわけで。
どうしたらいいかわからなくて、戸惑ってばかりだ。
今思うと私は和也くんの事、何も知らない。
和也くんの着ていた制服は見た事がなくて、どこの中学なのかもわからない。
携帯のアドレスだって、知らないんだ。
会いたくても、会えない…。
合格発表の時は、時間が少しずれただけで会えなくなってしまう。
それに、もしどちらかが不合格だったり、和也くんの本命が他の高校だったらこれで会えなくなっちゃう。
私には、そうでない事を願う事しかできない。
和也くんとまた会えるチャンスは、それしかないんだから。
出来れば、同じ高校に通いたい。
最初のコメントを投稿しよう!