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「そこで彼女は倒れたんだ、俺の目の前でな。
玄関の目の前で倒れられてもこっちとしては迷惑だろ?
だから俺は彼女を…だいたい3~4時間ぐらいの時間をかけて治療してやったのさ。
そこでコイツが秋住と分かって、秋住のことを色々聞いているうちにフッと時計に目をやったんだ…
そうしたらもう昼じゃないか!もう十分に体力を取り戻したんで、慌ててコイツと学校に行ったわけよ」
『え~そうだった…もごごっ!』
俺はすかさず言葉を発しようとする秋住の口を片手で塞いだ
『むぐっ…んぐ…んぐぐ~!…プハッ!…はぁ…はぁ…死ぬかと思った』
俺の手の中でジタバタする秋住の口。うるさいので手を放してやると、呼吸がすごく乱れていた
そして珍しく今まで黙っていた仲吉のオッサンは、俺と秋住を交互に見て、やがてこう言った
「お前…よくもそんな頭の悪いサルでも分かるような嘘を吐けるな!お前はもう今日は帰さんぞ!この学校で死ぬまで居残りしてもらうぞ!」
やはり最後は怒鳴る仲吉のオッサン。
俺がなにもしていなくても、怒鳴りつけるから困ったものだ
「だいたいお前はなぁ、いつもいつも適当なことを言って――」
オッサンが説教モードに入った瞬間、学校のチャイムが鳴った。どうやら昼休みが終わったようだ
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