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『だいたいなんでこんな場所に立っているんですか?他の人が通れないでしょう?』
「…うっうるさい!さっさと教室に戻らんか!」
オッサンはこの状況はヤバいと感じたのだろう、霧中に教室に戻るよう指示するが、そんなことで霧中は引き下がらない
『先生が教室に行ってくれたら戻ります
てゆうか早く戻ってください
いつまでもそこに居られちゃ
他の先生方も授業に行けないですから』
「うぐぐ…わ、分かった…」
二人の口論は、霧中の一方的な勝利という形で終わり、ついに仲吉はその重い腰を上げた
そして、教室を出る間際に、負け惜しみのように言い放った
「二人とも、覚えてろよ!」
先公の顔なんて毎日見るんだから覚えてるに決まってるだろう、と思ったのは俺だけじゃないはずだ
そして、仲吉が職員室から出た瞬間、他の先公達も続いて職員室から出始めた
みんな出る間際に霧中に一言お礼を言っているみたいだった
『…ふぅ、やっと片付いた。これで授業が始められるわ』
その紺色の長い髪をなびかせ、小さいため息をする霧中
俺はしばらくその姿をジッと見ていた
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