優人と少女

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「ん……」 ふと、窓に差し込んだ光に、俺は目を覚ました 寝ぼけた目を擦りながら辺りを見回すと、いつもと変わらない俺の部屋が目に映った 「…ふぁ~…今、何時だ?」 その壮大な海を感じさせるような青い髪に、寝癖がついているのにも気にせず、眠たそうな目で半分しか役割を果たしていない目覚まし時計に目をやる 「11時15分…遅刻か」 今日もいつもと変わらず学校がある。もちろん今日も遅刻だ。 俺は俗に言う不良学生だ 本当は行きたくもないのだが、俺の唯一の肉親、親父がそれを許さない 俺はお袋を中学二年の秋、紅葉が舞い散る自宅への帰り道で、心臓麻痺で亡くした 当時は突然の出来事で、混乱するしかなかったけど、お袋の死亡を知った時の親父の顔を見て、やっと俺もお袋が死んだ、という実感が沸いた それがきっかけだったのだろうか、俺達は変わった 親父は仕事から帰ってきたら毎日酒を飲むばかり。時には殴られもした 俺は…夢だった陸上選手への道を捨て、学校も毎日サボるようになった 全てが悪い方向に向かっている。俺はそう思うしかなかった
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