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「そういえば、なんでこの学校に転校してきたんだ?随分いきなりな気がするが」
あまりにも唐突だと思うのは俺の気のせいだろうか?時期的にも半端な気がする
『それは………お、お父さんの仕事がね、いきなり転勤になっちゃって…』
秋住は、一瞬困った顔をし、少し長い間を置いた後に、やっと転校した理由を教えてくれた
「なんだよ、今の間は」
『んにゅ、間ってなんのこと?』
「お前な…まあいいか」
それほど気ならなかったので、これ以上は突っ込まないことにする
「それよりお前ん家ってこっち方面なのか?」
今俺達は、秋住の家に向かってるわけだが、帰る方向が俺の家と全く同じだ
『そうだよ~。もうすぐ着くかな…ほらっあそこだよ!』
秋住が指差した方向には、普通の一軒家がぽつんと建っていた
「…………」
俺はそれを見て、思わず言葉を失ってしまった
なぜなら、その家の隣に俺の家があったからだ。開いた口が塞がらない、とはまさにこのことだろう
『んにゅ?優人さん~どうしましたか~?』
「…お前、オレん家の隣に引越してきたのか」
『んにゅ!?どういうこと?…もしかして…となりのお家って優人さんの家なの!?』
俺はなにも答えず、変わりに無言で返事を返した。もはや口に出す言葉も無い
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