優人と少女

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それでも親父は仕事をして、俺に学校へ行かせるために頑張っている 親としての責任か、それ以外の何かか…俺には分からないが、親父は頑張っている それに比べて俺は遅刻して学校に行っては、夜遅くまで悪友と遊んで帰る毎日。 こんなことできるのは今のうちだけだ。と、いつも適当な理由をつけては現実逃避をしていた 「…行くか」 一通りの支度を終えると、俺は自分の鞄を持って部屋に出た 部屋から出ると、酒を持った親父がコタツの机に顔を預けながらいびきをかいて寝ていた 「親父、そんな所で寝てると風邪引くぞ」 この光景も、いつも通り。コタツで寝ている親父を俺が布団まで移動させてやる 「んが~…」 布団まで移動させると、風邪を引かないようにしっかり掛け布団を掛けてやる 「じゃあ親父、行って来るよ」 ぐっすり寝ている親父に言った。 返事は寝ているのだから返ってくるはずもなく、俺の声だけがそこに響いた
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