優人と少女

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家から出ると、しっかり鍵を掛けて、学校に向かうために家を後にした 学校に向かう途中の通学路。学生なんているはずもなく、一般人が通ってる 「…寒いな」 時に季節は秋。色鮮やかな紅葉が舞い散り、季節感を漂わせている 暑い季節が終わり、肌寒く感じる季節だ。 そして――お袋が死んだ季節。 「…なに考えてんだ、俺」 少しブルーな気分になってしまったので、それを追い払うかのように早足で学校に向かった 「はぁっはぁ…やべ、なぜか走っちまった」 早足で向かうつもりが、いつのまにか走ってしまっていた おかげで早く学校についてしまったわけだが…すごくタイミングが悪い時間に来てしまったようだ(ただ今12時) この時間帯は昼休み。即ちこの学校の学生が学校内でウロウロしているわけだ もしそんな所へ飛び出して行ったら皆の熱いまなざしを受けるに違いない できればさらし者にされた気分になるのだけは回避したいんだが… さて、どうするか…帰るか?いや、しかし走ってまできたのに帰ってしまうのか?それはそれでもったいない気が… 『はぁ…はぁ…ど、どいてぇ~!』 「…ん?」 俺がどうしたもんかと思考していると、後ろから急いでいる声が聞こえてきた
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