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『ど、どいてったらぁ!』
「なっ…ぐふっ」
声が聞こえる方向へ振り向いた瞬間、何者かも分からない人物と思い切りぶつかった
『イタタ…んにゅ、どいてって言ったのにぃ』
「いきなりどいてって言われても反応できねえよ、バカ!」
まだ微かに残ってる痛みを引きずりながら、睨み付けようとぶつかってきた人物を見た
『だって…だって今日は転校初日なのに…お休みかと思ってぐっすりと寝てたらお母さんに叩き起こされて…ぐすっ…それで…それで…うぇっ…』
「おっおい、泣くなよ」
いきなりわけの分からないことを口走りながら泣きはじめた少女
俺はどうしていいか分からず、しばらくそこで少女が泣きやむまで見ていた
しばらくすると少しは落ち着いたのか、泣くことを止めた
「………お前、転校生なんだって?」
『あ…う、うん』
この少女を口実にして遅刻した理由を作るのもいいかもしれない
「今更ひとりで学校入れないだろ?俺が一緒についてってやる」
『えっ…?』
少女は目を真ん丸くさせて、何を言われたのか理解できないでいるのか、分かって無い様子だ
「だから、職員室まで案内してやるって言ってんだよ。俺が言ってること理解できるか?」
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