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鼻息を荒くして、怒鳴り散らすオッサンの声は職員室全体に響き、他の先公たちは、またやってるよ…と、言わんばかりの呆れ顔で作業を続けている
みんなにとって、これもいつも通りの光景なのだ
しかし、秋住は違う。俺の後ろに完全に隠れて、ブルブルと身体が震えているのが伝わってくる
「おい、オッサン!」
「ああん、なんだ栢山!?言い訳か?言い訳するのか!?この期に及んで言い訳するのか!?ああ!?」
“言い訳”を強調するところがオッサンらしい。このオッサンの怒鳴り声や説教には俺は慣れたが、秋住は初めてだから物凄く怖がっている
「言い訳じゃない、今日はちゃんとした理由があって遅刻してきたんだよ。てか毎度毎度そんなに怒鳴って疲れないのか?」
「お前がワシを怒れる猛獣にするんだろうが!少しは真面目にならんか、このスカポンタン!」
オッサンがスカポンタンて言うなよ…おっと、こんなことしてる場合じゃない
「はいストップ!頼むから俺の話を聞いてくれ」
「…なんだ」
俺がオッサンに向かって制止の手を向けると、やっとオッサンは大人しくなった
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