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横田君!?
横田君はすごく笑顔だった。
でも、笑顔の横田君の隣には夏川さんの姿があった。
私には彼氏が居て幸せなはずなのに、なぜか胸が苦しくなった。
おもわず涙が溢れだしそうになった。
卒業式の日の後悔がまた蘇ってきた。
あの日、もし私が告白していたらどうなっていたんだろう?
そんな事を考えていると、横田君が喋り出した。
「彼氏できたんだ。良かったじゃん。」
私は泣かないように我慢しながら、横田君も良かったね。と言った。
夏川さんが早く行きたそうな顔をしていたので、横田君はじゃあな。
と言って立ち去って行った。
横田君と夏川さんの後ろ姿を見ていると、悲しみが込み上げてきた。
「泣いてるよ。」
隣で私の顔を覗き込んでいる顔は、何だか寂しそうだった。
優しく涙を拭いてくれたけど、涙は止まる事を知らず、卒業式の日みたいにたくさん涙を流した。
――こうして私の初恋は片思いのまま幕を閉じた。
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