~最悪~

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あの時から、私は夏川さんの事を気にするようになった。 今までの私なら、好きな人がいるなら諦めていたのに、今回は何故か諦める事が出来なかった。 夏川さんの事を見る度に、やっぱり綺麗だなぁって思った。 今日も夏川さんを見た。 男子と二人っきりで楽しそうに喋っていた。 よく見ると、その男子は横田君だった…。 何故、二人っきりなんだろうと思った。 何を話しているのかすごく気になった。 話を聞きたくて、気が付いたら二人の近くを通っていた。 「……映画…行く。」 その単語だけが聞こえてきた。 私の頭の中でたくさんの考えが膨らんだ…。 もしかしたら、一緒に映画を見に行くのかもしれない。 最悪の考えが頭の中を駆け巡った。 もし、横田君と夏川さんが付き合う事になったらどうしよう。 そんなの絶対に嫌だ! でも、私にはそれを否定する権利はなかった――…。  
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