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「俺のが大きい!」
私(野崎美奈 ノザキミナ)と手を重ね合わせながら、一人の男子が叫ぶ。
私は手の大きさなんかどうでも良かった。
そんな事より、重ね合わせている手から、私の胸の奥のドキドキが伝わってしまわないかが心配で堪らなかった。
いつからこんなに意識するようになったのかは分からない…。
気が付いたら私は横田君(横田大輔 ヨコタダイスケ)の事を意識するようになっていた。
「女子の手は小さいものなの!」
私は堪えきれなくなって、手を離した。
「仕方ねぇよな!お前小さいもん。なっ149㌢!!」
私の身長が149㌢である事から、そんなふうに呼ばれるようになった。
「うるさいなぁ」
私は一言だけ言い残して、席に着いた。
横田君とは、席が隣なのでよく喋る。
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