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6時間目は、班で話し合う時間だった。
私達も机を動かして、話し合える隊形になった。
目の前には横田君。
前を見ると、横田君と目が合った。
いつもならそのまま流すのに、今回は違った。
横田君は真剣な顔つきで見てきた。
私は目を逸らせない状況になってしまった…。
また胸の奥がドキドキしてきてしまった。
顔が赤くなってしまっているような気がした。
恥ずかしくて恥ずかしくて、堪らなくなってしまった。
私は照れ隠しで、少し笑って見せた。
でも期待外れで、横田君は笑ってはくれなかった。
真剣な顔つきを崩してはくれなかった。
胸の奥のドキドキが少しずつ大きくなっているのが自分でも分かった。
体中が心臓の様になっている。
私はどうして良いか分からなかった。
しばらくすると、横田君は何も言わずに目を逸らした。
そして何事もなかったかの様に、話し合いを始めた。
あんなにじっくり横田君の顔を見たのは初めてだった…。
横田君にとっては短い時間だったかもしれないけど、私にとってはかなり長く感じられた。
ふぅと溜息を漏らした瞬間、ドキドキが治まった。
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