一章

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「多田野君を見つけてあげてください。」 ミス研の子達が加納にそう訴える。 多田野仁成…今回の依頼は彼の捜索だった、 加納は少し意地悪気に 「君達も捜査をしてるのだろう?佐山君とやらに頑張ってもらいなさい。」と言った。 言われるまでもない、この事件は彼が名探偵と呼ばれるための布石だ。 「おじさん、俺達が調べているのは学校の怪談だぜ。同級生の行方不明なのは霊のせいじゃないって証明するんだ。」 おそらくこの子が例の佐山君なのだろう。 口をはさんできた。 成績がいい訳ではないのだが、 恐ろしくキレるらしい。 二人は互いになにかを感じとり、みつめあっていた。 これが後の名探偵コンビの最初の出会いであった。
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