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私は順番に並びながら親友の水無瀬かんなと、どこの席がいいかと言い合っていた。
「やっぱり窓側は外せないでしょう?」
「私は1番前以外ならどこでもいい。」
「ちょこは1番前だと先生にすぐパシりに使われるからね。」
美人のくせに豪快にかんながケタケタ笑う。
相変わらず見た目はお嬢様系のくせに、性格は極悪だ…。
「絶対、1番前は避けたい。」
私は黒板の横。
窓辺の隅で、グーグー昼寝をしている鈴木先生をチラと見て、ブルリと頭を振った。
思えば一学期、二学期ともよくもパシりにしてくれたもんだ。
三学期まであんな目に遭うかと思うとゾッとする。
…せめて、先生と目が合わない席になりたいと願う私の気持ちは切実なのは仕方がないことだろう。
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