189センチ

2/22
前へ
/91ページ
次へ
放課後、私は顔を引きつらせながら自動販売機に向かっていた。 帰りのホームルーム、先生の不機嫌さはすさまじかった。 寄らば討つ…ぐらいの殺気にみんなが視線を合わせようとしなかったもの。 「朝倉!お前は居残り。」 「え!?」 何も悪いことはしてないはずだし、テストは文句ない点数のはず。 そんな私に居残りを命じて、先生は不機嫌に私を教壇から見下ろした。 「なんで居残りなんて…。」 「数学の教科当番だろう。教材作るの手伝え。手伝うよなあ?」 ジロと恐ろしくとがった目が私につきささる。 蛇ににらまれた蛙よろしく硬直して、私はただこくこくとうなずいた。 うっうっ。 だから一番前のせきなんていやだったんだ。 それを山田くんが山田くんがあ~!
/91ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3467人が本棚に入れています
本棚に追加