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私は叫んで自販機の前にしゃがみ込むと、機械の下を必死に覗いた。
「ちまちまちゃんごめんなさい。」
しゅんとした顔で、おっとりくんが横から同じように下をのぞき込んで来た。
眉毛がハの字になっている申し訳なさそうな顔は、とても責められるものではない。
暗い機械の下、私の100円はちょうど真ん中辺りに落ち着いてる。
たかが100円されど100円!
「おっとりくん、いいよ。気にしないでね。なん…とか取れそう。」
ヨッと手を下に伸ばしながら私はおっとりくんに言った。
もう少し…もう少しだあ!
頑張れ私。
少ないおこづかいをムダにするもんかあ!
「リーチが足りないですか?」
おっとりくんが体を縮こめて横にくっついてきた。
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