189センチ

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「俺にやらせてみて下さい。腕はちまちまちゃんより太いけど、俺のほうがリーチは長いから。この下ならなんとか入るかなあ?」 ギュウギュウと体を押されて私は横に追いやられた。 私のやっていたように、おっとりくんが自販機の下を覗きながら手を伸ばして100円玉を探る。 デカいからだを無理して折りながらも、おっとりくんは私よりずっと奥まで手を入れた。 「………………。これ…かなあ。」 苦心しながらも、おっとりくんは呟いて何かを掴み手を出した。 私の目の前でグーにした手を開いてみせる。 その中にはしっかりと100円玉があった! ほこりと一緒だったけど! 「ちまちまちゃんありました。よかったです。」 タレ目な目をますますタレさせて、にこぉ~っと笑われて、私も思わずつられてにこぉと笑った。
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