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さあ、私の番がきた!
教卓の上に置かれた箱を前に思わず腕まくりして、私は手を差し出した。
…………と、箱に手を突っ込んだ瞬間、
「あっ!!!」
と見守る学級委員が大きな声を出した。
なにか問題が!?
慌てて箱から手を出して
「なにっ!?」
と言うと、チッチッチッと顔の前で人差し指を振って学級委員の山田くんがウィンクしてみせた。
「朝倉、お前はクジなんて引く必要ないぜ?」
「ぅへ?」
変な声が出た。
「お前の席は、クラス全員の意見の一致で今後ずっとここだから。」
教卓の前。
1番前の席をチョンチョンと指して、山田くんがニッコリ笑う。
「なんで!!」
よりによって、教卓の前ってどういうことなの!?
しかもクラス全員の意見っていったい…。
嫌な予感に振り返ってクラスを見回すと、なぜか皆がみんな、温かい目でニヤニヤ私を見守ってる。
なに!?何事!?
「まあまあ、みなまで言わすなよ。お前と先生のことはみんな温かーく見守ってやることにしたんだから。あ、安心しろ。他のクラスの奴等はおろか、学校側には絶対秘密にしてやるから。」
山田くん、それってどういうことですか!
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