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私は泣きたくなりながら腕を引き抜いて、おっとりくんの腕を反対にとるとパッパとほこりを払った。
「おっとりくん。人のことより自分のことをして下さい。」
「ちまちまちゃん、優しい。」
「…優しいとか関係ないです。わたしのためでしょう。おっとりくんのほうが優しいです。」
にこぉ~。
人畜無害なこの笑顔に弱いんだよねえ。
「俺が驚かしたからお金落としちゃったのに、怒らないでほこりまで払ってくれる。ちまちまちゃん優しいですよ。」
私にほこりを払われるのを嬉しそうに待っておっとりくんはニコニコして言った。
「俺、でかいから、どうも小こい子供とか…そばによるだけで驚かしちゃうみたいなんですよ。」
私は小こい子供とおなじですか!
そうつっこみたいところだけど、おっとりくんの天然さは十分にわかってきたので、私はハハハと笑ってみせた。
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