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「私なんかチビだからおっとりくんの大きさが羨ましいです。」
「そうなんですか?」
「背の高い人って私と違うものが見えてそうだから。なんていうか景色が違うっていうか。うまく言えないけど…。」
「そうですか。じゃあ俺の見えるもの、見てみますか?」
ニッコリ。
「は?」
「ちょっと屋上行きましょう。」
「あの、おっとりくん?」
「いいからいいから。」
目がテンになってる間に手首が掴まれた。
そのままグイと引っ張られて自販機が離れていってしまう。
おっとりくんは歩いてるだけなのかもしれないけどチビの私は走っていかないと転んでしまいそう。
「いや!いいからじゃなくて私いまから鈴木先生の…。」
おっとりくんが、少しだけ歩調を緩めて振り向く。
「ちょっとだけです。」
「…う。」
おっとりくんにはどうも弱いなあ。
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