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なのにおっとりくんは寒さも感じさせない顔でニコニコ手招きしてみせる。
「ちまちまちゃん。ここに立ってみてください。」
言われるままフェンスの近くに立つおっとりくんの前にいくと、おっとりくんは私と視線の高さを合わせるように身をかがめて、そのままフェンスの向こうの景色を見渡した。
「これがちまちまちゃんの見てる景色かあ。」
私の見てる景色はおっとりくんにとってどんな風に見えているのだろう。
おっとりくんは、呟くように言ったあと、高さのあう場所…つまりはすぐ間近にあった私の顔を見て、笑ってみせただけだった。
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