3467人が本棚に入れています
本棚に追加
「…どうですか?俺の見ている景色は?」
私が充分堪能するまで待って、おっとりくんがそっと聞いた。
「…うん。」
言葉にならない思いを胸に、私はやっと視線を下ろしてうなずく。
答えにならない答えだったのに、おっとりくんはただ緩く笑ってみせるだけだった。
「おっとりくんて身長何センチあるんですか?」
「189センチありますよ。」
「じゃあいまの私、200センチ以上あるんだ。」
肩の上で驚いてたら、
「うん。209センチだったジャイアント馬場もびっくりです。」
とおっとりくんが笑って言った。
ジャイアント馬場…。
私の頭に16文キックを炸裂させてる偉大な長身プロレスラーが浮かんで消えた。
最初のコメントを投稿しよう!