子供の嫉妬、大人の嫉妬

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………というわけで、放課後、私はみんなに教室を追い出されて数学準備室へと行かされるハメになった。 でも、私だってこれまで手をこまねいていたわけではない。 この一週間の間、何度も先生に会いに行こうとしたのだ。 職員室や準備室の周りをうろうろしたりしてさ。 ただ先生に声をかけようとした瞬間に、おっとりくんに会ってしまうという最悪な事態を招いてしまい、ますます先生のご機嫌がななめになって声はかけられないままだけど。 無視されたらどうしよう。 ゴクリ。 準備室の扉の前で覚悟を決める。 スーハー。 「失礼します。」 ガラッと戸を開けると、ブリザードな冷気がヒュウと吹き込んできた。
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