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「先生大人げないですよ。」
思わず呟いたひとことに、鈴木先生がいきなりカッとなったように睨んだ。
「はあ!?なんだ、それ。」
怒りを抑えた冷たい声。
いきなりのことにびっくりして私はプリントを落としたまま茫然とした。
「大人だとか教師とか関係ねぇだろ。悪かったな、心狭くて。司先生みたいな大人な先生に相手してもらえよ。」
目を逸らすと立ち上がり、先生はそのまま戸を開けて出て行った。
置いていかれてやっとハッとなり、
「先生!」
と追いかければ、先生は振り返って私の目の前まで歩みよる。
「ごめんなさい。私先生を怒らせるつもりじゃなくてですね…。」
泣きそうな私を先生は苦々しく見下ろした。
「お前にとって俺はやっぱ憧れの教師でしかないんじゃねぇの?好意と恋愛とはき違えてないか?」
「は?」
「…しばらく準備室来るな。」
先生は、やりきれないように髪をくしゃくしゃと混ぜて背中を向け、去っていった。
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