握られた手

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私は彼の体が心配で 「大丈夫? 疲れとらん?」 と聞いていましたが 彼はいつもの笑顔で 誰に言うとんの 楽勝やけぇの なんて 言ってくれて いました その日、いつも起きて 帰りを待つのが 習慣だった私に 今日こそはちゃんと 先に寝とけよ? ぶっ飛ばして 帰ってくっから と言いながら彼は 仕事に向かいました 私はいつものように 起きて彼の仕事の帰りを 待っていました また、怒られるんだろうな そう思いながら しかし 彼はその日 帰って来ませんでした 朝10時に彼の両親から 電話があり ○○が事故に遭って 亡くなった と聞いて 気が動転して その後はあまり 覚えていません ただ彼の両親に 連れて来られた病院に 彼は寝ていました 傷だらけで 包帯を巻かれて その包帯は真っ赤でした
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