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一体どうなってんだ?!
俺は信じられない目の前の出来事にただ愕然とするだけだった。
夢を見ているのか?そう思って顔を叩いてみたが痛みが夢ではないことを示していた。
けどこんなことって……
目の前にあるフワフワとした固まり。それがピョンピョンと飛び跳ねては俺の方に視線を向けて首を傾げる。
小鳥……の姿をした三橋。身体はふつうの小鳥。だけど顔はどう見ても三橋なのだ。
「おい!聞いたか?三橋が行方不明らしいぞ」
花井がグラウンドに入る早々せっぱ詰まった声でみんなに告げた。
グラウンドのチームメイトが一斉にざわついた。
しかし俺はそれどころではなかった。
目の前の小鳥が花井の声に反応してチチチチッッッと鳴いた。まるで俺はここにいる!と言わんばかりの鳴き声だ。そして小鳥の顔はいつも見ている三橋の顔。大きな瞳からポロポロと涙をこぼしといた。
「三橋…いきなり部屋から居なくなってたんだって」
「誘拐?三橋なら食い物で釣れそうだもんなぁ」
「いやまだそうと決まった訳じゃないが。今日の練習は中止。三橋捜索にあたる」
花井がそう告げた。
小鳥がピチチチチッと鳴いた。
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