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手のひらの上にいる小鳥三橋を田島の目の前へと持っていった。あまりに勢いがあったせいか、手のひらの上でコテッと三橋が転んだ。
「大丈夫かぁ三橋?」
三橋はフワフワとした身体をうんしょと起こし、田島に向かってピチチッ、ピチチチッと鳴いた。
「痛いとこはないのか。それはよかったなぁ」
は?
ピチッピチチチチッピッチ
「うんうん。朝起きたらその身体になってたんだ。そりゃ焦るよなぁ」
へ?
ピピッピチチチッ
「で、とりあえず空を飛んでグラウンドに向かったと」
もしかして……
「田島!お前三橋の言葉がわかるのかっ??」
大声を出すとビックリしたのか小鳥三橋がまたコテッと転倒した。
「あぁもう。三橋がビビってんじゃねーか。おい三橋。こっちこい」
田島が手のひらを広げると、小鳥三橋は小さな羽をばたつかせヘニャヘニャと宙を舞い、田島の手のひらへと着地した。
「言葉はわかるよ。っつか普通に話してんじゃん。三橋」
キョトンとしながら田島が答えた。
「いや、俺には鳥の囀りにしか聞こえないし、ほかの奴らにはこれが三橋だってことすらわからねーんだ」
俺が言うとグラウンドの皆が一斉に肯いた。
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